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最少4本のインプラント治療「オールオン4」とは?費用や治療の流れも解説

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2024/12/26

最終更新日のアイコン

2024/12/27

#インプラント

コラムのサムネイル

ほとんどの歯を失っており、見た目や機能性の観点からインプラントで治療したいけど、費用や身体的な負担が不安でなかなか治療に踏み切れないという方もいらっしゃるでしょう。

埋入する本数が多ければその分費用は高額になり、手術時間も長くなるため躊躇してしまうのも仕方ありません。

このような悩みを持たれている方は「オールオン4」を検討してみることがおすすめです。

オールオン4という言葉を初めて聞き、どのような治療法なのかよくわからない人も多いと思います。

この記事ではオールオン4についてわかりやすく解説します。

この記事のトピック

  • オールオン4とは?
  • オールオン4のメリット
  • オールオン4のデメリット
  • オールオン4の注意点
  • オールオン4の寿命
  • オールオン4の治療を受ける際の流れ
  • オールオン4が向いている人とは?

ほとんどの歯を失っておりインプラントでの治療を検討されている方、総入れ歯からインプラントへの変更を検討されている方などは、ぜひ参考にしてみてください。

オールオン4とは?

オールオン4とは、最少本数4本のインプラント(人工歯根)を顎の骨に埋め込み、一体化した前歯から奥歯までの人工歯を埋め込んだインプラントで支えて歯を補う治療法です。

一般的なインプラントとの違い

一般的なインプラントとオールオン4の違いを下記の表にまとめました。

一般的なインプラント

オールオン4

治療方法

失った1本の歯に対して1本のインプラントを埋入

片顎4本のインプラントですべての歯を支える

治療期間

およそ6ヵ月~12ヵ月

およそ6ヵ月

費用

1本あたり25万~60万円
※埋入するインプラントの本数が増えるほど費用が増える

片顎200万~400万円

体への負担

埋入するインプラントの本数が多くなると
手術時間が長くなったり患部の腫れや痛みが
大きくなったりしやすい

片顎に埋めるインプラントが4本なので
埋入本数によっては一般的なインプラントよりも
体への負担が少ない

骨造成の必要性

骨が足りない場合は骨造成が必要

骨の量が少なくても骨造成なしで治療できる可能性がある

仮歯を入れられるタイミング

インプラントを埋入した日より1週間~10日後

インプラントを埋入した当日もしくは翌日

※上記の治療期間や費用はあくまでも目安であり、実際の治療期間や費用は患者さんの状態や治療を受ける歯科医院などによって異なります。

オールオン4のメリット

オールオンフォーには以下のようなメリットがあります。

オールオン4のメリット

  • 体への負担が少ない
  • 治療期間が短い
  • 口元の審美性を高められる
  • 顎骨が少ない方でも治療を受けられる可能性がある

それぞれ詳しく解説します。

体への負担が少ない

インプラント治療では、顎骨にインプラントを埋入する手術がともないます。

具体的な手術内容によって時間は変動しますが、インプラント1本埋入するのに10分〜30分程度かかるため、すべての歯を1本1本インプラントにする場合、相当の時間がかかるでしょう。

手術後は患部が腫れたり痛んだりすることもあり、すべての歯を1本1本インプラントにすると、腫れや痛みの範囲も広くなる可能性が高いです。

これに対して、オールオン4は4本のインプラントで済むため手術時間が短縮され、術後の腫れや痛みに関しても、すべての歯を1本1本インプラントにするより軽減できるでしょう。

治療期間が短い

一般的なインプラントの治療期間が6ヵ月〜12ヵ月程度なのに対して、オールオン4は3ヵ月〜6ヵ月程度です。

このように一般的なインプラント治療と比べて、オールオン4は治療期間が短いのです。

また、一般的なインプラント治療においては、仮歯を入れるまで1週間〜10日ほどかかります。

インプラントを埋入し、傷口が治り抜糸をしてから仮歯を装着する流れです。

一方、オールオン4はインプラントを埋入した当日もしくは翌日には仮歯を装着でき、仮歯を装着した日から食事ができます。

仮歯を入れるまでの期間が短いため、歯がない期間を短くできる点もメリットといえるでしょう。

口元の審美性を高められる

オールオン4では、前歯から奥歯まで一体化した人工歯で歯を補うため、隣り合う歯との色や形といったバランスを調整する必要がなく、統一感のある見た目になります。

また、歯が入ることで口元に膨らみができ、人工歯だけでなく歯茎も再現されるので、口元全体の審美性を高められるのです。

さらに、上部構造に天然の歯と近い見た目のセラミックを採用すれば、より口元の審美性を高められるでしょう。

顎骨が少ない方でも治療を受けられる可能性がある

通常、顎骨が少ない方・厚みが足りない方はインプラントを埋入するための骨量や厚みが足りていないため、そもそもインプラント治療を受けられなかったり、骨を増やしたり移植したりする必要があります。

仮に骨を増やしたり移植したりすることでインプラント治療が受けられるケースでも、骨造成や骨移植などの手術に対応した歯科医院でなければ治療を受けられません。

その点オールオン4なら「斜めにインプラントを埋入する」「骨の多い箇所を選んでインプラントを埋入できる」などの理由から、顎骨が少ない方でも治療を受けられる可能性があります。

オールオン4のデメリット

オールオン4にはメリットだけではなく以下のようなデメリットもあります。

オールオン4のデメリット

  • 自由診療のため費用が高額になる
  • 残っている歯を抜く必要がある
  • トラブルの際は上部構造をすべて外すことになる

それぞれ詳しく解説します。

自由診療のため費用が高額になる

オールオン4は保険が適用されない自由診療のため費用が高額で、医院によって費用も異なります。

インプラントの治療を検討するうえで多くの方が悩まれている点のひとつに「治療費」が挙げられます。

日本口腔インプラント学会の「インプラント治療に対する患者の意識調査」によると、治療を受けるにあたって一番迷った点は「治療費」という回答が最も多かったです。
参考:日本口腔インプラント学会 第19巻 4号|インプラント治療に対する患者の意識調査

この点に関しては、同じインプラントで治療するオールオン4についても同様の懸念点といえるでしょう。

ただ、通常のインプラント治療は1本あたり25万~60万であり、オールオン4の費用相場は片顎200万~400万なので、片顎すべてを1本1本インプラントで治療する場合よりは費用を抑えられる可能性が高いです。

もちろん、それでも十分高額な費用のため、あまり費用がかけられない場合は総入れ歯といった他の治療法を検討することになるでしょう。

どのような治療方針で進めていくか、費用も踏まえたうえで歯科医師と相談することが大切です。

【関連記事】インプラント治療の費用相場は?内訳や費用を左右する項目も解説

残っている歯を抜く必要がある

オールオン4は奥歯から前歯まで連結された人工歯で片顎すべての歯を補うため、残っている歯があると連結された人工歯を装着できません。

そのため、たとえ残っている歯がまだ機能していたとしても抜く必要があるのです。

健康な歯が残っているなら、無理にオールオン4で治療しようとせず他の治療法も検討すると良いでしょう。

残っている歯の状態が悪いようであれば、しっかりと噛めなかったり他の歯に悪影響を及ぼしたりする恐れがあることから、無理に歯を残すよりも抜いてしまったほうが良いケースもあります。

トラブルの際は上部構造をすべて外すことになる

上部構造にトラブルがあった際、一般的なインプラントであれば、歯1本分の上部構造を外して修理や再作製をします。

対してオールオン4の上部構造にトラブルがあった場合は、奥歯から前歯まで一体となっているので上部構造をすべて外す必要があります。

そのため、一般的なインプラントよりも迅速に対応するのが難しい傾向にあるのです。

また、仮に上部構造の一部に問題が発生して作り直すことになった場合、上部構造すべてを作り直さなければなりません。

そうなれば作り直しにかかる費用もより高額になるため、トラブルを発生させないよう徹底した口腔ケアが重要となります。

オールオン4の注意点

オールオン4での治療を検討する際、以下のような点に注意する必要があります。

オールオン4の注意点

  • オールオンフォーに対応している医院は限られている
  • 骨造成が必要なこともある
  • 必ずしも治療を受けられるとは限らない
  • オールオン6でなければ治療できないケースがある

それぞれ詳しく解説します。

オールオン4に対応している医院は限られている

オールオン4は、インプラント治療をおこなっているすべての歯科医院が対応しているわけではありません。

オールオン4をおこなうには、それなりの設備や歯科医師の技術が必要のため、オールオン4に対応している医院は限られています。

また、オールオン4に対応している旨がホームページで記載されていても、オールオン4の治療経験が少ない歯科医師だった場合、トラブルに発展する恐れもあります。

このことから、オールオン4に対応しているかどうかだけでなく、治療経験・実績などについても確認しておくと良いでしょう。

骨造成や骨移植が必要なこともある

先述したとおり、オールオン4は顎骨の少ない方でも治療を受けられる可能性があります。

しかし、あまりにも顎骨の量が少ない方だと、そのままでは治療を受けられません。

骨造成や骨移植などの処置が必要です。

インプラント治療を受ける際は事前に検査をして、歯科医師が骨造成や骨移植などの処置が必要になるのか判断するため、骨造成や骨移植などが必要かどうか気になる方は、一度歯科医院で相談すると良いでしょう。

必ずしも治療を受けられるとは限らない

骨の量が足りないケース以外にも、治療が受けられないケースはあります。

例えば、顎骨がまだ発達段階にある未成年の方だとオールオン4での治療は難しいでしょう。

発達段階にある顎骨にインプラントを埋入すると、骨の成長によってインプラントの位置がずれてしまう恐れがあるからです。

このほかにも以下のようなケースだと、オールオン4での治療は受けられないでしょう。

オールオン4での治療が難しい人

  • 虫歯や歯周病の治療中
  • 糖尿病や高血圧などの全身疾患を患っている
  • 貧血
  • 禁煙ができない
  • 何らかの理由で医師から「インプラント治療は受けられない」と診断されている

虫歯を治療したり血糖値をコントロールできるようにしたりして問題が解決すれば、治療を受けられる可能性があるため、上記に該当する方はまず問題を解決することが重要です。

オールオン6でなければ治療できないケースがある

患者さんの顎骨の状態によっては、オールオン6でなければ治療できないケースもあります。

特に上顎の歯を治療するケースでは、オールオン6での治療になる可能性があります。

これは、上顎は下顎よりも骨がやわらかく骨吸収もおきやすいことから、下顎よりもインプラントの安定性が不十分になりやすいためです。

※骨吸収:骨に刺激が与えられない状態が続くと、骨が脆くなったり分解されて別の細胞の材料として使われる現象

インプラントをしっかりと安定させるためにも、埋入するインプラントの数を増やしてオールオン6での治療になる可能性があるのです。

インプラントの数が増えれば、その分手術時の負担や費用の負担も大きくなるでしょう。

オールオン4の寿命

オールオン4を含むインプラント治療において「どれくらい寿命が持つのか」という点は気になることのひとつだと思います。

実際に、日本口腔インプラント学会の「インプラント治療に対する患者の意識調査」によれば、治療を受けるにあたって一番迷った点はなにかという質問に対して、最も回答数が多かった「治療費」と同じくらい「何年持つか」という回答があったのです。
参考:日本口腔インプラント学会 第19巻 4号|インプラント治療に対する患者の意識調査

オールオン4の寿命は一般的なインプラントの寿命と変わりません。

個人差はありますが、10年〜15年程度が平均的な寿命です。

ただ、メンテナンスを怠ると10年よりも早く寿命がきてしまうでしょう。

反対にしっかりとメンテナンスをしていれば、15年以上持つ可能性も高いです。

せっかく費用をかけて噛み心地のあるきれいな歯に治したのであれば、できるだけ長持ちさせたいですよね。

インプラントを長持ちさせるためにも「定期メンテナンスを忘れず受ける」「セルフケアを徹底する」「歯ぎしりや食いしばりを改善する」などしましょう。

インプラントの寿命はいつ?長持ちさせる工夫や寿命が近い際の対処法も紹介」の記事にて、インプラントを長持ちさせるための工夫について詳細に紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

オールオン4の治療を受ける際の流れ

治療を受ける際の一般的な流れは以下のとおりです。
※具体的な治療の流れは、治療内容によって異なるため歯科医院にてご確認ください。

オールオン4の治療を受ける際の流れ

  • カウンセリング
  • 精密検査
  • 治療計画の説明
  • インプラントの埋入・仮歯の装着
  • 型取り
  • 人工歯の装着

それぞれ詳しく解説します。

カウンセリング

まずは「悩み」やこうしたいという「希望」などをヒアリングしてもらいます。

この際、オールオン4のメリットやデメリット、リスクなど治療の説明も受けます。

この他にも気になる点があれば、この段階でしっかりと聞いておきましょう。

気になる点を明確にしたり、不安に思っていること悩んでいることなどを伝えたりすることで、それらを踏まえた納得のいく提案を受けやすくなります。

精密検査

カウンセリング後は、治療するにあたって必要な検査をおこないます。

虫歯や歯周病の有無、噛み合わせなどを確認する「口腔内検査」、骨の形や量などを確認するための「レントゲン検査・CT検査」、糖尿病や貧血の有無などを確認する「血液検査」などさまざまな検査をおこないます。

これらの検査は治療の正確性や安全性を考えるうえで重要な検査です。

できるだけ正確な結果が得られるよう、歯科医師から指示されたことに従うようにしましょう。

治療計画の説明

検査の情報をもとに具体的な治療計画が立案されます。

治療内容や治療期間、費用や使用する素材などの説明を受けて、その内容で問題なければ手術日を決めて治療が始まります。

インプラントの埋入・仮歯の装着

局所麻酔をしてインプラントの埋入手術をおこないます。

その後、しばらく休憩したら当日に仮歯を装着します(翌日の場合もあり)。

基本的に入院の必要はなく、手術した当日に帰宅可能です。

仮歯の期間には個人差がありますが、おおむね6ヵ月程度で、この期間に噛み合わせや見た目の確認をして、必要に応じて微修正をおこないます。

型取り

仮歯期間中に噛み合わせや見た目などの微調整が完了したら、最終的な被せ物(人工歯)を作製するため、印象材や口腔内スキャナーを用いて型取りをおこないます。

型取りで得た情報をもとに、患者さんごとに適した被せ物が作製されます。

人工歯の装着

インプラントと顎骨がしっかりと結合したのち、被せ物を装着して噛み合わせの最終調整をおこない完了です。

その後は、歯科医師の指示に従い定期的に歯科医院でメンテナンスを受けます。

オールオン4が向いている人とは?

オールオン4に限らずどの治療法にもいえることですが、ある治療に向いている人もいればそうでない人もいます。

以下のような人はオールオン4が向いている人といえるでしょう。

オールオン4が向いている人

  • 総入れ歯が合わない人
  • インプラント治療での治療費を抑えたい人
  • インプラント治療時の体への負担を抑えたい人

総入れ歯が合わない人

すでに総入れ歯を使用しており「入れ歯が合わず痛みや違和感が生じている」「しっかりと噛めない」などの不満を抱いている人はオールオン4が向いているといえます。

オールオン4なら顎骨に固定されたインプラントでしっかりと人工歯を固定して支えられるため、入れ歯のように食事や会話の際にずれるといったことはありません。

これによって痛みや違和感が生じることはないでしょう。

また、硬いものでもしっかりと噛めるようになるので、食事も楽しめるようになります。

インプラント治療での治療費を抑えたい人

「すべての歯をインプラントで治療したいけど費用が心配」

このような悩みを持たれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

オールオン4はこういった悩みを持たれている方にも向いている治療です。

オールオン4の費用相場は片顎200万〜400万円のため、1本あたり25万〜60万円の一般的なインプラント治療で片顎すべての歯を治療するよりも、費用を抑えられる可能性が高いのです。

<関連記事>インプラント治療の費用相場は?内訳や費用を左右する項目も解説

インプラント治療時の体への負担を抑えたい人

インプラント治療時の体への負担をできるだけ抑えたい人にもオールオン4はおすすめです。

オールオン4は埋入するインプラントの数が最少4本で済むため、すべての歯を1本1本インプラントにするより手術時間が短く、術後における患部の痛みや腫れなども少ないでしょう。

まとめ

オールオン4は、4つのインプラントで奥歯から前歯まで一体となった上部構造を支えて歯を補う治療法です。

顎骨が少ない方でも治療を受けられる可能性が高く、一般的なインプラント治療よりも「治療期間が短い」「体への負担が少ない」などのメリットがあります。

一方で「残っている歯を抜く必要がある」「トラブルの際は上部構造をすべて外すことになる」などのデメリットがあります。

また、どこの歯科医院でも受けられるわけではいないことにも注意が必要です。

ご自身の口腔状態や治療に対する希望、オールオン4のメリット・デメリットなど、さまざまな点を考慮したうえで最適な治療を選ぶためにも、まずはオールオン4に対応した歯科医師に相談することをおすすめします。

セカンドオピニオンを活用して複数の歯科医師から意見を聞くことで、よりご自身に適した治療法が選びやすくなるでしょう。

当サイトではインプラント治療に対応した歯科医院を紹介しています。複数の歯科医院を比較検討するために、ぜひご覧になってみてください。

東京でインプラントに対応している歯科医院の一覧はこちら

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