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インビザラインは抜歯ありの症例でもOK?抜歯なしで進める方法は?

作成日のアイコン

2022/9/2

最終更新日のアイコン

2023/8/21

#インビザライン

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「インビザラインは抜歯ありでも対応可能?」

「インビザラインで対応可能な抜歯症例とは?」

インビザラインで矯正を検討するにあたり、抜歯をする必要があると歯科医師に診断された場合、希望するインビザラインで治療ができるのか疑問や不安を抱かれる方も多いでしょう。


実際にインビザラインでは、抜歯ありの症例でも矯正治療ができるのでしょうか。


結論、インビザラインでは抜歯ありの症例でも一部対応可能です。

この記事では、具体的にどのような症例に対応しているのか、対応していないと判断された場合どのような原因が考えられるかも解説しています。


さらに抜歯をしてインビザライン矯正を進める場合、どのようなタイミングで抜歯をするのか、抜歯後にマウスピースを装着するタイミングはいつかなども紹介しています。


他にはどうしても抜歯なしでインビザラインを進めたいという方に向けて、抜歯をせず歯を並べるスペースを確保する方法についても解説しているので、抜歯をする必要がありインビザラインを検討しているという方は是非参考にしてみてください




インビザラインは抜歯ありの症例でも対応できるのか


インビザラインは抜歯ありの症例でも対応可能です。

しかし、全ての抜歯を必要とする症例に対応できる訳ではないので注意しましょう。

そもそもインビザラインを含むマウスピース型矯正装置は、抜歯を伴う症例には不向きとされています。

理由として、マウスピース型矯正装置は歯を歯根と共に平行に移動する歯体移動が苦手で、歯根は動かず歯茎から出て見えている歯冠部分のみ傾いて動く傾斜移動になりがちだからです。

※歯体移動や傾斜移動については、「インビザラインで抜歯した所が目立つ!隙間が埋まるまでの期間や対策を紹介」の記事で詳しく解説しています。


実際に「公益社団法人 日本矯正歯科学会」が公開している「アライナー型矯正装置による治療指針」では、下記のような記載があります。

【推奨されない症例】 
1) 抜歯症例 
・犬歯が遠心傾斜している症例 
・前歯部が大きく舌側傾斜している症例 
・歯の大きな移動を必要とする症例 
・大きな回転、圧下・挺出を必要とする症例
引用:アライナー型矯正装置による治療指針 


ただし、上記とは別で推奨される症例として下記のような記載もあります。

【推奨される症例】
3) 抜歯症例であっても歯の移動量が少なく、かつ傾斜移動のみで改善が見込まれる症例
引用:アライナー型矯正装置による治療指針 


前提として歯列矯正で抜歯をする目的は、歯を綺麗に並べるスペースを確保することがメインとなります。

抜歯をするとその分、歯の移動距離が増え、綺麗な歯並びにするためには歯体移動で歯を動かすことが重要となるのです。


インビザラインを含むマウスピース型矯正装置は、どちらかというと歯体移動より傾斜移動を得意とする矯正装置です。

そのため、歯の移動距離が少なく傾斜移動のみで改善が見込める場合、抜歯ありでもインビザラインで対応が可能という判断になります。


では、より具体的にどのような症例でインビザラインは対応できるのでしょうか。

次に解説します。

インビザライン矯正が対応できる抜歯ありの症例


インビザライン矯正が対応できる抜歯ありの症例は、具体的には下記の3つが挙げられます。

インビザライン矯正が対応できる抜歯ありの症例

  • 出っ歯(上顎​​前突)
  • 受け口(反対咬合)
  • デコボコしている歯並び(叢生)


ただし、これらはあくまでも一例です。

歯並びの重症度によっては対応できないケースもあるので注意しましょう。

また、歯科医師の経験や判断によって、該当していてもインビザラインでは対応できないと診断されるケースもあります

それぞれ解説をしますが、注意点も踏まえて参考にしてみてください。

出っ歯(上顎前突)


上顎​​前突(じょうがくぜんとつ)いわゆる出っ歯とは、上の前歯が下の前歯より大きく前方に飛び出している歯並びを指します。

このような歯並びでは、抜歯をすると共にアタッチメントを歯に付け、インビザライン矯正で対応が可能なケースがあります。

アタッチメントについては、「インビザラインのアタッチメントとは?知っておきたい目的や効果などを解説」の記事でも解説しているので、参考にしてみてください。

受け口(反対咬合)


反対咬合(はんたいこうごう)いわゆる受け口とは、下の歯が上の歯よりも前方に出ている噛み合わせを指します。

端的に表すとしゃくれている状態です。

このような歯並びでも、抜歯をすると共に顎間ゴムを使用し、インビザライン矯正で治療ができるケースがあります。

※顎間ゴムとは、歯列矯正で使用する医療用のゴムのことで、歯を動かす際の補助として使用します。

具体的には、上下の歯にゴムをかけてゴムが縮もうとする力を利用し歯を効率よく動かしていくのです。

デコボコしている歯並び(叢生)


叢生(そうせい)とは、歯がデコボコした状態で並んでいて、部分的に歯が重なり合ってしまう歯並びです。

この叢生でも、抜歯をすると共に必要に応じて顎間ゴムを使用し、インビザライン矯正で治療ができるケースがあります。

インビザライン矯正で抜歯をするタイミング


抜歯をするタイミングは、どのような症例でどの歯を抜くのかによって変わります

具体例を挙げると、親知らずや虫歯・歯周病で寿命が短くなっている歯を抜く場合、矯正開始前に抜歯をすることが多いでしょう。

また、歯列矯正で抜くことが多い「小臼歯」の抜歯は、先にある程度歯並びを整えてから行なうケースが多いです。

このように症例や抜歯をする歯によってタイミングが異なるため、どのタイミングで抜歯をするのか気になる場合は、担当の歯科医師に確認をとるのがベストでしょう。

抜歯後はすぐにマウスピースを装着すべきか


抜歯後にマウスピースを装着するタイミングは、明確に決まっていません。

そのため、担当の歯科医師に確認をし、指示通りのタイミングで装着をするようにしましょう。

基本的には抜歯した翌日には装着できるケースが多いです。

しかし、抜歯をしたばかりの翌日は痛みや出血があることが多く、さらに矯正装置を装着する際には個人差はあるものの痛みを伴います。

痛みが気になる際は抜歯してから3日後、ある程度抜歯した箇所の傷口が落ち着いてからマウスピースを装着したほうが良いかもしれません。

このような場合にも自己判断はせず、担当の歯科医師に相談をするようにしましょう。

抜歯なしでインビザラインを進める方法


歯列矯正をするにあたり、抜歯をすることによって起こる痛みや出血の不安から「可能であれば抜歯を回避したい」とお考えの方も多いでしょう。

抜歯以外にも下記の方法を活用すれば、抜歯を回避して歯を並べるスペースを確保できるケースがあります。

抜歯を回避して歯を並べるスペースを確保する方法

  • 臼歯を後方移動させる
  • 歯列の側方を拡大させる
  • IPRでスペースをつくる


それぞれ解説します。

臼歯を後方移動させる


臼歯とは、犬歯より奥に生えている歯を指します。

歯の先端が尖っておらず比較的平らである奥歯のことです。

インビザライン矯正は、ワイヤー矯正が苦手である歯を奥に移動させることが得意です。

臼歯いわゆる奥歯をさらに奥に移動させることで、抜歯をせず歯を綺麗に並べるスペースを確保できる場合があります。

歯列の側方を拡大させる


歯列の側方を拡大させるとは何かというと、歯が並んでいる顎自体を側方(横)に拡大させて歯が並ぶスペースを作ることです。

インビザラインを使って歯列を側方に拡大させることで、歯と歯の間を広げることができ、結果歯を綺麗に並べるスペースを作ることにつながります。

しかし、重度の叢生の場合この方法は適さないケースが多いので注意しましょう。

IPRでスペースをつくる


IPRとは、歯の両端を悪影響が出ない程度で少し削り、歯を並べるスペースを作るという方法です。

削ると聞くと痛みが出るか不安に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、削るとしても片側0.3mm程度なので基本的に痛みはありません。

また、歯を削ることで虫歯になるリスクが上がることもないのでご安心ください。

まとめ


インビザラインは抜歯ありの症例でも治療は可能です。

具体的に対応可能な症例としては、重度ではない下記が当てはまります。


・出っ歯(上顎前突)
・受け口(反対咬合)
・デコボコしている歯並び(叢生)


しかし、上記で該当しても全ての症例に対応しているわけではないこと、歯科医師の経験や判断によって不可能と判断されるケースもあることは考慮しておきましょう。

なるべく非抜歯で治療を受けたい場合、下記のような方法で治療ができるか相談してみることもオススメです。

・臼歯を後方移動させる
・歯列の側方を拡大させる
・IPRでスペースをつくる

インビザラインで矯正をするにあたり、抜歯の有無で不安があったり要望があったりする場合は、歯科医師に事前に相談をして治療前に不安を無くせるようにしましょう。

そうすることで、インビザライン矯正で失敗をしたと感じるリスクを減らすことができます。

当サイトではインビザライン矯正が受けられるおすすめの歯科医院を紹介しています。
インビザライン矯正を検討しているという方は、ぜひご覧になってみてください。

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