インビザラインのゴムかけはいつからやるの?その効果と痛みの対処法は?
この記事の監修者
藤林 勉
グリーン歯科
2022/11/17
2024/7/17
#インビザライン
「インビザラインでゴムかけを始めたけど痛みが辛い」
「ゴムかけにどんな効果があるの?」
「ゴムかけはいつから、いつまでどんな期間やるの?」
「ゴムかけが切れてしまった...」
インビザライン治療をしていると、ほとんどの方がやるゴムかけ。
ゴムかけは、するのも面倒で痛みが増す可能性もあります。
しかし、治療の完成度をあげるために必要な治療です。
本記事では、ゴムかけに対する「痛み」「切れてしまった」「つけられない」などの悩みに答えたり、ゴムかけが必要な理由などを解説しています。
この記事を読むことで、ゴムかけを始める、これから始める方の悩みが解消されるかもしれません。
- 3.1Ⅱ級ゴム
- 3.2Ⅲ級ゴム
- 3.3垂直ゴム
- 3.4交叉ゴム(クロスゴム)
- 4.1ゴムかけが痛い
- 4.2ゴムかけが切れた
- 4.3ゴムかけが難しい
- 4.4サボってしまった
- 4.5口が開かないくらいきつい
- 5まとめ
インビザラインのゴムかけとは
インビザラインのゴムかけとは、上下のマウスピース矯正装置や歯にゴムをかける箇所を作り、上下の歯にゴムの力をつかって矯正力をかけ矯正する治療法とを指します。
顎間(がっかん)ゴムや、エラスティックと呼ばれたりします。
インビザラインのゴムかけの効果
インビザラインのゴムかけの効果は、上下の噛み合わせに対して治療ができることです。
マウスピース型の矯正装置では実現できない歯への矯正力をつくることで、歯並びの完成度を高めます。
たとえば、開咬という奥歯を噛みしめたときに前歯が開いてしまうような歯並びや、出っ歯や受け口のような上下どちらかが前に出すぎているような歯並びを治せます。
もしゴムかけを忘れてしまった場合、最初に立てた計画と異なる歯並びになる可能性があることを理解しましょう。
インビザラインのゴムかけの使用方法
インビザラインのゴムかけは、自分で毎日おこなう必要があります。
マウスピースにプレシジョンカットと呼ばれる切れ込みがあったり、歯にゴムかけ用のボタンがついていたりします。
それらにゴムをかけ上下の歯にまたいで矯正力をかけるようにするのです。
装着方法
必ず鏡を見ながら正しい位置に、歯科医師から指示されたようにゴムを装着しましょう。
ゴムにもさまざまな種類があるため、間違ったゴムを使わないように気を付けることも大切です。
ゴムの大きさによって歯にかかる力が違うため、間違えてしまうと計画とは異なる歯並びになる可能性があります。
1日20時間以上つける
ゴムかけは、1日20時間以上つけることを想定しています。
そのため、矯正装置をつけている間は常にゴムかけもつけておくようにしましょう。
食事や歯磨きのときなどは、矯正装置とともに外しておいても大丈夫です。
ゴムが万が一切れてしまったときのために、予備のゴムを持ち歩くのがおすすめです。
食事中は外す
歯にボタンが直接ついている場合でも、食事中にゴムかけは必要ありません。
またゴムを外したほうが、食事を楽しめます。
しかし、ボタンをつけている場合は、食事中にボタンを外すことはできず、食ベかすが挟まりやすくなるため気を付けると良いでしょう。
インビザラインのゴムかけ使用における注意点
インビザラインでゴムかけをおこなう際の注意点について説明します。
ゴムは毎日取り替えるようにする
ゴムは毎日新しいゴムに付け替えましょう。
理由は、ゴムは劣化し力が弱くなることで、歯に力がかからなくなるからです。
また取り替えるタイミングは、朝食後か就寝前が望ましいでしょう。
決まった時間に取り替える癖をつけることで、替え忘れを防止できます。
予備のゴムを常に準備する
ゴムは常に切れてしまう可能性があります。
たとえば、ゴムを装着するタイミングや、あくびをするタイミングなどにです。
ゴムが切れてしまっては、1日20時間以上の装着時間を保てなくなる可能性があります。
予備のゴムを常に携帯することで不測の事態にも備えられ、ゴムかけの装着時間を守れます。
ゴムかけを忘れないようにする
ゴムかけは忘れないようにしましょう。
ゴムかけは一日20時間以上の装着が必要です。
食事や歯磨きのタイミングで外してしまってから、つけ忘れをする方が多いようです。
つけ忘れをしてしまうと、矯正治療が計画通りに進みません。
ゴムかけの習慣をつけることで、つけ忘れをしないように工夫しましょう。
インビザラインのゴムかけ期間
いつから開始するかは、歯の状態次第です。
矯正開始とともにスタートする場合もあれば、仕上がりを整える意味で中盤から後半にかけておこなう場合もあります。
場合によっては、最初から最後までつける場合もあります。
しかしほとんどの場合は、矯正治療のなかで数か月間つけて終わる場合が多いようです。
ゴムかけの種類
一言でゴムかけといっても、いくつか種類があります。
どのような種類のゴムがあり、その目的についても理解しておきましょう。
Ⅱ級、Ⅲ級は歯の噛み合わせの状態を表しています。
関連して、Ⅰ級は正常な噛み合わせのことを指します。
Ⅱ級ゴム
目的:出っ歯の治療で利用
上の歯が下の歯よりも前に出ている上顎前突(じょうがくぜんとつ)つまり出っ歯の治療に利用します。
前方の上の歯と、後方の下の歯にまたがってゴムをかけることで、上の前歯を後ろに移動させるようにします。
またⅡ級とは「上顎前突」のことを指し、ゴムの素材や大きさ、太さなどを指すものではありません。
Ⅲ級ゴム
目的:受け口の治療で利用
受け口、しゃくれなどと言われる、下の歯や上の歯よりもでている状態「下顎前突」の治療の際に利用します。
下の前歯から、上の後方の歯にまたがって、矯正力をかけます。
この場合のⅢ級は「下顎前突」のことです。
関連してこの受け口の場合、8020運動(80歳で20本以上の自分の歯を残そうとする運動のこと)の達成率は0%であったとのことで、歯にかかる負担が非常に大きい噛み合わせといえるでしょう。
垂直ゴム
目的:歯を引き出す挺出(ていしゅつ)をおこない、開咬(かいこう)などの治療で利用
歯を抜く方向に引っ張っていくために利用します。
開咬とは、奥歯を噛んだときに前歯の噛み合わせに隙間が開いてしまう噛み合わせを指します。
垂直ゴムを利用する場合
関連して開咬の場合、8020運動(80歳で20本以上の自分の歯を残そうとする運動のこと)の達成率は下顎前突と同様0%と言われています。
交叉ゴム(クロスゴム)
目的:交差咬合(こうさこうごう、クロスバイト)や鋏状咬合(はさみじょうこうごう、シザーズバイト)の治療の際に利用
上の歯が下の歯よりも内側に入ってしまっている交差咬合。
上下の歯がすれ違ってかみ合わない鋏状咬合の治療に利用します。
噛み合わせが不正な上下の歯にまたがって、ゴムをかけることで治療をおこないます。
インビザラインのゴムかけに対する悩み
インビザラインのゴムかけについて、SNSやQ&Aサービスを参照してよくある悩みについてまとめてみました。
またそれらについての対処法も記載します。
ゴムかけが痛い
ゴムかけをすると、歯に矯正力がかかり、それが痛みの原因となります。
この痛みは矯正を始めた頃に感じる痛みと同じ種類の痛みです。
歯に直接力をかけることで歯を移動させ、その際に歯の根元に炎症を引き起こす可能性があります。
その痛みが出てくるため、痛いと感じる可能性があるようです。
ゴムかけが切れた
あくびや大きな口を開けて笑うなどをした際に、ゴムが伸びきって切れてしまうことがあります。
ゴムが切れてしまうと装着することはできず、そのためゴムかけに必要な時間を確保できなくなってしまうトラブルがあります。
ゴムかけは、切れることを想定し必ず予備のゴムを持ち歩くようにしましょう。
またゴムが切れてしまった場合、誤って飲み込んでしまうことがありますので、気を付けてください。
ゴムかけが難しい
ゴムかけを装着すること自体がなかなかうまくできない、と悩んでいる方もいるようです。
はじめの慣れないうちは、鏡を見て正しくゴムが装着できているかどうかを確認しながらおこないましょう。
手でおこなうことが難しい場合は、エラスティックホルダーと呼ばれる道具を使ってみると良いでしょう。
細かいところや口の奥の中など、指の届きにくい箇所で利用してゴムをしっかりと装着しましょう。
サボってしまった
ゴムかけについては、痛み、面倒さ、手間などを感じ積極的な感情になれず、いつの間にかサボってしまった、という人もいるようです。
しかし、ゴムかけをサボってしまうと治療が計画通りに進まず「治療期間が長くなる」「計画通りの歯並びにならない」などのリスクがあります。
インビザラインのゴムかけは、治療の仕上がりに大きな影響を与えます。
サボることがないようにしていくことが重要で、また万が一サボってしまった場合はなるべく早く歯科医師へ相談すると良いでしょう。
口が開かないくらいきつい
上下の歯にまたがってゴムをかけるため、口を開けることが大変になる場合があります。
特に前歯に垂直ゴムなどを付ける場合などは、開きにくいと感じることもあるようです。
また人によっては、ゴムの力が強すぎで異常なほど口が開きにくいと感じている方もお見かけしました。
その場合は、日々の生活に支障がでる可能性もあるので、歯科医師に相談することをおすすめします。
リンガルボタンが当たって痛い
リンガルボタンとは、歯の内側つまり舌側につけるゴムかけ用のボタンのことです。
金属製のボタンを歯の内側につけるため、舌とぶつかる可能性がありそれによって痛いと感じる方もいらっしゃいます。
リンガルボタンにワックスをつけて滑りをよくするなどの対処法があります。
他にも様子を見ることも一つの手です。
リンガルボタンに慣れることで痛みがなくなることもあります。
まとめ
さて、今回はインビザライン矯正におけるゴムかけの効果やよくある悩み、注意点などについて執筆しました。
矯正治療におけるゴムかけは、ほとんどの症例で利用される一般的なものです。
そのため、インビザラインに限らずワイヤー矯正でもゴムかけというのはおこなわれます。
ゴムかけは、矯正治療において噛み合わせに影響したり、治療の完成度を高めてくれる必要な治療です。
ゴムかけによる痛みや、手間、面倒など の問題は、歯科医師と相談したり、自身で知識をつけたりすることで乗り越えましょう。
矯正治療は、年単位で時間がかかる治療です。
歯科医師と信頼関係を作って、矯正治療を成功させていきましょう。
当サイトではインビザライン矯正が受けられるおすすめの歯科医院を紹介しています。
インビザライン矯正を検討しているという方は、ぜひご覧になってみてください。
この記事の監修者
藤林 勉
経歴
1981年 日本歯科大学歯学部 卒業 1982年~1983年 鶴見歯科医院 勤務 1984年~1986年 レオデンタルクリニック 勤務 1986年4月 グリーン歯科 開業
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