現在の掲載医院数8,279


歯医者選びならMedee
>

インビザラインの保定期間とは?いつまでする必要がある?

作成日のアイコン

2023/5/30

最終更新日のアイコン

2024/7/18

#インビザライン

コラムのサムネイル

インビザライン治療が終わると、保定期間に入ります。

矯正治療が終わったのに、まだ保定装置を装着しないといけないことについて、憂鬱に感じている方も多いのではないでしょうか?

きれいな歯並びを保つうえで保定期間は非常に重要です。

今回はインビザラインの保定期間がどういったものなのかどのくらいの期間が必要なのかについて詳しく紹介していきます。

この記事を読むことで、1日に保定装置を装着する必要がある時間や保定装置の種類・注意点などがわかります。

インビザライン矯正後の保定期間について詳しく知りたい」という方はぜひ、参考にしてください。

1.インビザラインの保定期間とは

インビザラインの保定期間とは、矯正治療終了直後で不安定な状態の時期に歯が移動しないように保定する期間のことです。

インビザライン矯正に限らず、矯正治療終了直後は歯の周辺が不安定な状態になっています。

不安定な状態のまま放置していると、せっかくきれいにした歯並びが悪い歯並びに戻ってしまうのです。

この現象を後戻りといいます。

後戻りを防ぐために保定装置を装着する必要があり、保定装置を装着する期間のことを保定期間と呼ぶのです。

2.後戻りが起こる理由

そもそも歯は普段の食事や運動時の食いしばりなどで日々少しずつ動いています。

後戻りが起こるのには日々の動きに加えて、保定装置の装着が不十分なことや悪癖、無理な治療計画などさまざまな要因が考えられるのです。

それぞれ具体的に解説します。

2-1.保定装置の装着時間不足

保定装置の装着時間が不足すると後戻りの可能性が高くなります。

インビザライン治療終了直後は1日に20時間以上、保定装置の装着が必要になることが多いです。

食事や激しい運動時以外は常に装着しましょう。

2-2.悪癖

身についてしまった悪癖によって、後戻りが起こることは往々にしてあります。

例として舌の癖が挙げられます。

前歯部分に口の内側から舌で触れる癖があると、前歯が前に出てきてしまい出っ歯になるリスクがあるのです。

他にも頬杖やうつ伏せで寝ると、歯並びに影響を与える要因の1つになります。

頬杖を続けていると、頭の重さによる上からの力と、頬杖をしている下からの力、上下から力が加わることで歯並びに影響を与えます。

またうつ伏せ寝を続けていると、寝ている方向から常に力が加わることになり歯が内側に移動していくのです。

これらの癖を改善することで、後戻りのリスクを減らせます。

2-3.無理な治療計画

本来治療に必要な期間より短いスケジュールで矯正治療した場合、後戻りの可能性が高くなります。

短期間で歯並びをきれいにした分、もとに戻ろうとする力も強くなってしまうのです。

無理のない治療計画で矯正をすると、後戻りのリスクを少なくできます。

3.保定装置の装着時間

保定装置には歯並びをきれいに保つうえで、必要とされる装着時間があるのです。

長期的視点で必要な装着時間と1日で必要な装着時間、装着期間の理想について紹介します。

3-1.最低1年以上

保定装置は矯正治療終了後少なくとも1年以上、装着する必要があると考えていただくといいでしょう。

具体的な目安として、インビザライン治療にかかった期間と同じ期間ほど保定装置を装着する必要があるのです。

それよりも保定装置装着期間を短くしてしまうと後戻りのリスクが高くなるため、1年以上の装着が必要になることが多いのです。

3-2.1日の装着時間

インビザライン治療終了後の1年間は、1日20時間以上の装着が必要になってきます。

インビザライン治療でマウスピースを装着していたときと、同じイメージを持っていただくといいかもしれません。

2年目以降は患者様それぞれのケースに合わせて少しずつ装着時間を減らし、最終的には就寝時のみ装着する方が多い傾向にあります。

3-3.永続的に装着するのが理想

保定装置は永続的に装着するのが理想です。

食事や運動といった日々のちょっとした動きに応じて歯も動いており、歯の動きを防ぐためには永続的な保定装置の装着が必要になってきます。

とはいえ装着時間を段階的に減らすことは可能です。

インビザライン矯正が終了しある程度の期間が経過したあとは、装着時間を0にはせず週に数回就寝時のみ着用することで良いとされる場合もあります。

4.保定装置の種類

保定装置には、いくつか種類があります。

今回は代表的な3種類の保定装置について、紹介するので参考にしてみてください。

4-1:マウスピース型

インビザライン治療で装着していたものと似たマウスピースを保定装置でも使用することがあります。

周りから見て目立ちにくいのが大きなメリットです。

またインビザライン治療でマウスピースを装着し慣れていることから、マウスピースタイプの保定装置を選択する方が多い傾向にあります。

4-2.ワイヤー型

ワイヤー型の保定装置は、金属製ワイヤーを口の中に通して保定をおこないます。

ワイヤー型の保定装置は、患者様自身で着脱できません。

つけ忘れが多い方にとっては自己管理の必要がないため、大きなメリットの1つです。

ワイヤー型の保定装置には、歯の表側や裏側に装着する2つのタイプがあります。

表側

多くの症例に対応可能であり、広範囲の保定に適しています。

周りから見て目立ちやすい点はデメリットです。

裏側

周りから見て目立ちにくい特徴があります。

ただ、その分保定できる範囲に限りがあり、対応できない症例もあります。

4-3.プレート型

プレート型の保定装置はプラスチック製のプレートがあり、周りにワイヤーが付いた形をしています。

プレート型の保定装置には、いくつか種類があるのです。

それぞれについて、簡単に紹介します。

1.ベッグリテーナー

表側が金属のワイヤー、裏側がプラスチック製で出来ている装置です。

取り外し可能であり、歯全体を保定できるのが特徴です。

2.ホーレーリテーナー

構造はベッグリテーナーと同じです。

ワイヤーが表にしかないのが違いとして挙げられます。

前歯部分の後戻りの防止を目的としています。

3.QCMリテーナー

ベッグリテーナーと同じく取り外しができます。

前歯部分が透明で装着しているのが目立ちにくいです。

5.インビザライン矯正後の保定期間を短くする方法

多くの方はできるだけ保定期間を短くしたいと考えていると思います。

しかしながら、保定期間そのものを短くする方法はありません。

保定期間を短くしてしまうと、後戻りのリスクが高くなるからです。

ただ保定期間で後戻りを進行させない方法はあります。

その方法について次に解説します。

6.後戻りを進行させない方法

後戻りを進行させないためには、保定装置を正しい方法で装着するのが前提です。

そのうえで下記の項目も重要になってくるのです。

1. 虫歯や歯周病を予防する
2.保定装置の破損に気を付ける
3.保定装置を紛失しないようにする

これらについて、それぞれ具体的に解説します。

6-1.虫歯や歯周病を予防する

インビザライン治療後に虫歯や歯周病にかかってしまうと、治療のために保定装置を装着できない場合があります。

そうなると、保定装置を装着している時間が減ることから、必然的に後戻りの起こるリスクが高くなってしまうのです。

保定期間に入ってもインビザライン矯正中と同様に、虫歯や歯周病にならないよう歯磨きや歯科医院での定期的なケアを入念におこなうといいでしょう。

6-2.保定装置の破損に気を付ける

保定装置が破損すると日々の保定を適切におこなえないため、後戻りの可能性が高くなります。

保定装置は気をつけていても外しているタイミングに踏みつけてしまったり、劣化により破損したりしてしまうリスクがつきものです。

少しのヒビであっても放置せず、歯科医師に相談するようにしましょう。

6-3.保定装置を紛失しないようにする

食事や運動などで保定装置を取り外す際は、紛失しないように気を付けましょう。

保定装置は小さく、マウスピースタイプであれば透明なため、紛失してしまう患者様は多々います。

破損した場合と同様で紛失してしまうと、保定装置が再作成できるまで保定できません。

取り外し後に置いて置く場所を決めて置いたり、すぐにケースに入れたりするなどのルールを定め、紛失しないように工夫することをおすすめします。

7.保定装置使用時の注意点

保定装置を使用するにあたって、いくつか注意点があります。

今回は3つの注意点について、解説していくので参考にしてみてください。

7-1.口内ケアを怠らない

インビザライン治療が終わったからといって、歯科医院や自宅での定期的なケアを怠らないようにしましょう。

数か月に一度は矯正歯科で後戻りが起こっていないか、虫歯や歯周病にかかっていないかなどの経過を診てもらい、毎日の丁寧な歯磨きはもちろん、デンタルフロスや歯間ブラシなども併用して、口内を清潔にする意識を常に持っておきましょう。

7-2.食事の際は取り外す

保定装置は食事の際には取り外しましょう。

ただしこれは、取り外し可能なタイプの保定装置を使用されている方に限った話です。

保定装置を取り外さずに食事をしてしまうと、保定装置を傷つけてしまう可能性や、保定装置に食べ残しが付着し雑菌の根源になるリスクが考えられるのです。

特に硬い食べ物は保定装置に負荷を与えるため、故障の原因になる可能性があります。

水以外の飲み物は、保定装置が着色してしまうリスクも。

保定装置は食事や水以外を飲む際には、取り外すようにしましょう。

7-3.お手入れは定期的に

保定装置のお手入れを怠らないようにすることは、非常に重要です。

保定装置は1日に20時間以上の装着をすすめられていることが多いです。

1日20時間以上も口の中に入れている装置のケアをしないと、衛生的に悪く虫歯や歯周病のリスクが高くなります。

具体的なお手入れの方法として、歯ブラシを使って軽く磨いたり、水やぬるま湯で流したりする方法があります。

注意点として、歯ブラシを使用する際は歯磨き粉を使用しないようにしましょう。

歯磨き粉には研磨剤が入っているため、磨いてしまうと保定装置を傷つけてしまいます。

また、洗い流すときに熱湯を使わないようにしましょう。

熱湯を使ってしまうと、プラスチック製の保定装置の場合、熱によって変形してしまう危険性があります。

これらのことに気を付けて定期的な保定装置のメンテナンスをおこないましょう。

8.インビザライン矯正後の保定期間に関するよくある疑問

保定期間に関して、よくある質問に回答していきます。

8-1.保定期間中は痛い?

結論として、保定期間中に痛みを感じる人は少ないです。

ただし保定装置が合っていなかったり、久しぶりに装置を付けたときに違和感を覚えることは人によってあります。

痛みを感じた際は、早い段階で矯正歯科医に相談するようにしましょう。

そのまま我慢して使い続けたとしても改善する可能性は低いです。

矯正歯科医に相談することで保定装置の調整や変更をしてもらえるかもしれません。

8-2.後戻りが起こり始めたら?

後戻りが起こり始めたら、インビザライン治療をおこなった矯正歯科に早めに行って診療を受けましょう。

「せっかく歯並びがきれいになったのに、また歯医者さんに行くのは嫌だな…」と感じている方もいると思います。

しかしながら早期に対応することで、時間的にも金銭的にも、精神的にも軽い負担で後戻りを防げます。

後戻りが起こり始めていると感じた方は、できるだけ早く矯正歯科に相談するようにしましょう。

8-3.保定装置の交換期間は?

マウスピース型の保定装置を使用する場合、保定装置を交換する必要があります。

平均的に2.3か月に一度、保定装置を交換し、安定してきたと判断された場合、最後に使用していた保定装置を使い続けるケースが多いです。

8-4.保定装置の値段相場は?

保定装置の値段相場は、装置のタイプによって異なります。

マウスピース型:10,000〜20,000円
プレート型:20,000〜60,000円
ワイヤー型:20,000〜60,000円

紹介している相場は上下1セットあたりの値段相場です。
上下どちらかのみ保定をおこなう場合は、費用が下がるかもしれません。

8-5.ホワイトニングと並行できる?

保定期間中にホワイトニングを並行しておこなうことは可能です。

ただし例外として歯の表側に保定装置を装着するタイプの場合はホワイトニングをおこなうことはできません。

理由として、ホワイトニングは歯の表面に施すものであり、表側に保定装置を装着していると薬剤が歯に当たらないからです。

保定期間とホワイトニングを並行しておこないたいと考えている人は、マウスピース型や裏側から保定する保定装置の選択をおすすめします。

インビザライン矯正中にホワイトニングをできるのか、当サイトの「インビザライン矯正と同時にホワイトニングは可能?いつから始めるべき?」で詳しく解説しています。

気になる方はぜひ参考にしてみてください。

8-6.保定期間中の食事制限はある?

保定期間中に食事制限はありません。

ただし取り外し可能な保定装置は、食事の際には保定装置を取り外すことを忘れないようにしましょう。

保定装置が自由に取り外しできない場合は、装置に絡みつきやすい繊維質や粘着質な食べ物や硬い食べ物は控えたほうがいいです。

理由は保定装置の破損や汚れにつながるためです。

保定装置の種類に限らず、食後は歯磨きをおこない口の中を清潔にするよう心がけましょう。

8-7.保定期間中の喫煙は可能?

保定期間中の喫煙はあまりおすすめできません。

喫煙をおこなうと口内の唾液量が減り、自浄作用や抗菌作用が弱くなってしまい、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。

虫歯や歯周病になってしまうと治療を第一優先にしなければならないため、保定装置を装着できず、後戻りのリスクが高まるのです。

また保定装置に着色してしまうリスクも考えられます。

これらのことを踏まえ、可能であるならタバコは控えましょう。

9.まとめ

保定期間では、最低でも1年間ほどは保定装置を装着する必要があります。

その後、段階的に少しずつ1日の装着時間を減らしていきます。

ただ、装着時間を減らしても週に2.3回は寝るときのみ装着する、といったように一生を通じてケアをおこなうことで、きれいな歯並びをキープできる可能性が上がるのです。

口の中に保定装置を入れるのは、ストレスを感じるため「保定装置をできるだけつけたくない」という考えの方も多いでしょう。

しかし、一度きれいになった歯並びがもう一度もとに戻ってしまうことこそ、あなたが最も望まないことだと思います。

定期的な保定装置の装着をはじめ、日々のオーラルケアや保定装置の管理・お手入れ・悪癖の改善など、多くのことを意識して生活することできれいな歯並びは保たれるのです。

インビザライン矯正が終わったあとの保定期間も大事な期間ととらえ、きれいな歯並びを保てるよう生活を改善してみてください。

当サイトではインビザライン治療に対応している歯科医院を紹介しています。
インビザライン治療を検討されている方は、ぜひご覧になってみてください。

コラム一覧へ

この記事をシェアする

東京都のインビザラインの歯医者を検索