インビザラインの噛み合わせ問題と予防法|矯正中の違和感も解説
2023/6/21
2024/7/18
#インビザライン
インビザライン矯正を検討されている方は、インターネットで「インビザラインは噛み合わせが悪くなる」という情報を一度は見たことがあるのではないでしょうか?
インビザラインで矯正をしようと考えている方にとっては不安な情報ですよね。
結論からいうと、インビザライン矯正で噛み合わせが悪くなることは基本的にありません。
そもそもインビザライン矯正は歯並びや噛み合わせを整えるための治療です。
ただ、場合によっては噛み合わせが悪くなってしまうこともあるでしょう。
この記事では、インビザライン矯正で噛み合わせが悪くなってしまうケースや矯正中に感じる違和感の正体、正しい噛み合わせについて詳しく解説します。
加えて、インビザライン矯正で噛み合わせが悪くならないための予防法や、矯正を受ける歯科医院の選び方、ワイヤー矯正と迷った際の判断基準についても紹介します。
この記事を読むことで、インビザライン矯正においてどのようなケースで噛み合わせが悪くなってしまうのか、それをどう予防するかという悩みを解消できるでしょう。
インビザライン矯正を検討中で噛み合わせに関するネガティブな情報が気になる方、インビザライン矯正で失敗したくない方はぜひご確認ください。
- 6.16-1.見た目
- 6.26-2.治療期間
- 6.36-3.対応可能範囲
- 6.46-4.着脱方法
1.インビザライン矯正で噛み合わせが悪くなってしまうケース
基本的にインビザライン矯正で噛み合わせが悪くなることはありません。
しかし、下記のようなケースでは、噛み合わせが悪くなってしまうこともあるでしょう。
インビザライン矯正で噛み合わせが悪くなってしまうケース
- 破損・変形したマウスピースをそのまま使っている
- 正しくマウスピースを装着できていない
- マウスピースの装着時間が守れていない
- 強く噛みしめてしまう癖がある
- 歯科医師の知識・技術・実績が浅い
それぞれのケースを具体的に解説します。
ケース1.破損・変形したマウスピースをそのまま使っている
破損したり変形したりしているマウスピースでは、歯に適切な力を加えられません。
そのため、想定どおりに歯を動かせなくなる可能性が高まります。
ケース2.正しくマウスピースを装着できていない
正しくマウスピースが装着できていない場合も、歯に適切な力を加えられず噛み合わせを悪くしてしまうことがあるでしょう。
マウスピースが密着しておらずズレたり浮いたりしていると、正しく装着できていない可能性があります。
ケース3.マウスピースの装着時間が守れていない
インビザライン矯正では、マウスピースを1日22時間以上装着する必要があります。
装着時間が足りなかったり装着していなかったりする日が続く場合、歯に適切な力を加えられず想定どおりに歯を動かせません。
ケース4.強く噛みしめてしまう癖がある
マウスピースは歯を押す動きが得意であるため、噛みしめ癖が強いと、強い噛みしめによって奥歯が沈みこんでしまいます。
また、強い噛みしめによってマウスピースが破損してしまう恐れもあるでしょう。
マウスピースの厚さはおよそ0.5mm程度です。矯正中に強い力が継続的に加わることで破損する可能性があります。
ケース5.歯科医師の知識・技術・実績が浅い
日本ではインビザライン社が主催する講習を受けることで、インビザライン矯正を開始できてしまいます。
つまりインビザライン矯正に対応している歯科医師のなかにも、経験が豊富な歯科医師と経験の浅い歯科医師が混在している状況なのです。
そのため知識や技術、実績が浅い歯科医師に依頼することで、噛み合わせが悪くなってしまうこともあるでしょう。
2.インビザライン矯正中の噛み合わせにおける違和感の具体例とその正体
「インビザライン矯正で噛み合わせが悪くなる」という情報のほかに、「インビザライン矯正中に違和感を覚える」という情報も多く見かけます。
矯正中に違和感があると「適切に治療が進んでいるの?」と不安になりますよね。
ここでは、インビザライン矯正中の噛み合わせにおける違和感の具体例とその正体を解説します。
2-1.噛み合わせが高く感じる
インビザライン矯正中に噛み合わせが高く感じるのは、マウスピースの厚みが主な原因です。
マウスピースの厚さがいくら薄いといっても、マウスピースの厚み分噛み合わせの高さに違和感を覚えてしまう可能性が高いです。
また、上下の歯をインビザラインで矯正するとなると、マウスピース2枚分の厚さ(およそ1mm)になるため、より噛み合わせに違和感を覚えやすくなるでしょう。
2-2.マウスピースが浮いているように感じる
1枚目のマウスピースを装着した直後や、2枚目以降のマウスピースに交換した直後だと、マウスピースが浮いているような違和感を覚えることがあります。
マウスピースには歯を動かすために一定の隙間が設けられています。
新しいマウスピースを装着したばかりだと歯が動く前であるため、マウスピースが浮いているように感じるわけです。
上記のような違和感に耐え切れず、マウスピースの装着時間を守れないことが増えると、先述したように噛み合わせが悪くなってしまうため注意してください。
3.そもそも正しい噛み合わせはどのような状態?
そもそも正しい噛み合わせについて、よくわからない方もいらっしゃるでしょう。
正しい噛み合わせは下記の条件に当てはまっていることが重要です。
正しい噛み合わせの条件
- 上の前歯が下の前歯よりも少し前に出ている
- 上の前歯が下の前歯に2~3mm程度被さっている
- 上下どちらの歯列も整ったU字のアーチを維持している
- 上下の歯並びの真ん中が一致している
- 噛み合わせた際に、上の前歯と下の前歯の隙間が5mm以下
- 上下の奥歯が対面する2本並んだ歯の間にはまりこみ噛み合っている
- 無理なく口を閉じられる
4.インビザライン矯正で噛み合わせが悪くならないための予防法
「噛み合わせが悪くなるケースは理解できたけど、具体的にどうやって予防すればいい?」と疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。
下記、インビザライン矯正で噛み合わせが悪くならないための予防法です。
インビザライン矯正で噛み合わせが悪くならないための予防法
- チューイーを使って正しく装着する
- 装着時間を厳守する
- 破損・変形・違和感があれば使用をやめて歯科医師に相談する
- 知識や技術があり実績も豊富な歯科医師に頼む
それぞれを具体的に解説します。
4-1.チューイーを使って正しく装着する
そもそもチューイーとは、マウスピースを歯にしっかり装着させるために使う、ロール状のチューブ型補助道具です。
マウスピースを装着して、チューイーを噛み切るように前歯から噛んでいきます。
チューイーを徐々に隣の歯へと移動させ、奥歯に向かって噛みこんでいき、マウスピースをしっかりと装着させます。
チューイーを噛む時間は基本的に2〜3分程度です。
ただ、マウスピースを交換したばかりの場合は20〜30分程度噛むようにしましょう。
4-2.装着時間を厳守する
1日22時間以上マウスピースを装着するとなると、基本的に食事と歯磨きの時間以外はマウスピースを装着している状態が求められます。
装着時間を厳守するためにも下記のような工夫をしてみてください。
- 外出時に紛失しても問題ないよう、予備のマウスピースを持ち歩く
- スマートフォンのアラームやリマインダーを活用して装着忘れを予防する
- 間食を控えてマウスピース装着時間を確保する
マウスピースの装着時間についてより詳しく知りたい方は、当サイトの「インビザラインの装着時間が守れない!22時間つけなきゃ矯正は無理?」で詳しく解説しております。
インビザラインでなぜ22時間以上の装着時間が必要なのか、より詳しい対処法などを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
4-3.破損・変形・違和感があれば使用をやめて歯科医師に相談する
マウスピースが破損してしまった場合は、すぐに歯科医師に相談しましょう。
また、違和感が何日も続く場合、マウスピースが変形している恐れもあるため、歯科医師に相談することをおすすめします。
4-4.知識や技術があり実績も豊富な歯科医師に頼む
インビザライン矯正に対応している歯科医師であれば、どの歯科医師でも同じというわけではありません。
最終的な歯並びや治療が終わるまでの歯の動きなど、治療計画はすべて歯科医師が決め、治療計画の立て方で治療結果も大きく異なります。
そのため、インビザライン矯正に関する知識・技術・実績が豊富な歯科医師に頼むようにしましょう。
5.インビザライン矯正を依頼する歯科医師の選び方
インビザライン矯正がどこでやっても同じではないことが理解できても、どの歯科医師を選べばいいのかわからない方も多いでしょう。
インビザライン矯正を依頼する歯科医師は、下記ポイントを押さえて選びましょう。
歯科医師を選ぶ際のポイント
- 矯正に特化した歯科医院である
- インビザラインの症例数が多い
- インビザライン認定医である
それぞれ具体的に解説します。
5-1.矯正に特化した歯科医院である
一般歯科ではなく、矯正に特化した歯科医院を選びましょう。
インビザライン矯正は歯型のデータさえあれば、基本的にどのような先生でもマウスピースを発注できるため、一般歯科でも対応している医院があります。
ただ、先述したように歯科医師によって治療結果が異なるため、矯正に特化した歯科医院を選ぶようにしましょう。
5-2.インビザラインの症例数が多い
信頼できる歯科医院と判断する一つの目安として、インビザラインの症例数が挙げられます。
症例数が多い歯科医院であれば、これまでにさまざまな症例を治療してきているため、失敗するリスクが低いです。
また、インビザライン矯正に対応している歯科医院には、1年間の症例数によって法人単位でステータスランクが与えられているため、このランクも確認してみてください(個人ランクもあります)。
・年間症例数1~10:ブロンズプロバイダー
・年間症例数11~20:シルバープロバイダー
・年間症例数21~50:ゴールドプロバイダー
・年間症例数51~100:プラチナプロバイダー
・年間症例数101~150:プラチナエリートプロバイダー
・年間症例数151~400:ダイヤモンドプロバイダー
・年間症例数401~750:ブラックダイヤモンドプロバイダー
・年間症例数751~1000:ブルーダイヤモンドプロバイダー
・年間症例数1001以上:レッドダイヤモンドプロバイダー
ステータスランクは1年間でリセットされるので、常にインビザライン矯正に精通しているかを確認できます。
5-3.インビザドクターがいる
インビザドクターとは、これまでの累計症例数を基準に認定される世界共通の認定基準のことです。
先に紹介したステータスランクとは異なり、ドクター単位のみで認定され、認定基準も異なります。
インビザラインの治療経験数が累計50症例以上のドクターを「インビザスーパードクター」として認定しています。
インビザライン矯正における確実な治療計画を立てるために必要な経験数として基準を設けました。
インビザライン治療経験数が累計100症例以上のドクターを「インビザゴールドドクター」として認定しています。
より的確な治療が行える必要な経験数として基準を設けました。
インビザライン治療実績が累計500症例以上のドクターを「インビザプラチナドクター」として認定しています。
さらにプロフェッショナルな治療が行える経験数として基準を設けました。
引用サイト:インビザドクターの認定基準|インビザライン専門サイト|
ステータスランクの場合は個人だけではなく法人単位の場合もあり、法人単位だと10件の歯科医院が登録してある医療法人でも1つの法人となります。
つまり、10件の歯科医院で合計した症例数をもとにランクが付けられるわけです。
そのため、ステータスランクだけでは、インビザライン矯正に精通している歯科医院かどうかを見分けることが難しいのです。
そこで、インビザドクターがいるかどうかも一つの目安にして歯科医院を選んでみましょう。
6.インビザライン矯正とワイヤー矯正どちらが良い?判断基準を紹介
そもそも、インビザライン矯正かワイヤー矯正かで迷われており、何を基準に判断すればいいかわからない方もいらっしゃると思います。
迷った際は下記の基準を目安に判断してみてください。
判断基準
- 見た目
- 治療期間
- 対応可能範囲
- 着脱方法
- お手入れのしやすさ
それぞれ詳しく解説します。
6-1.見た目
矯正中の見た目は、薄く透明な歯科用のマウスピースを使うインビザラインのほうが目立ちにくいです。
ワイヤー矯正の場合、基本的に金属性のワイヤーが使われた装置を歯の表側(唇側)に付けるため、矯正装置が目立ちます。
ワイヤー矯正にも目立ちにくいホワイトワイヤーを使った装置もあります。ただ、インビザラインよりは矯正装置が目立ってしまうでしょう。
歯の裏側(舌側)に装置を付ける裏側矯正であれば、インビザラインと同様に目立ちにくいです。
6-2.治療期間
歯を動かす治療期間に関しては、具体的な症例によって異なります。
ただ、おおよそインビザラインは2年〜3年、ワイヤー矯正は1年〜3年程度で、そこまで大きな違いはありません。
6-3.対応可能範囲
ワイヤー矯正のほうが、インビザラインよりも対応可能範囲は広いです。
インビザラインは他のマウスピース矯正と比べると対応可能範囲は広いです。
しかし、ワイヤー矯正ほど幅広く対応できるわけではありません。
重症度の高い歯並びの場合、インビザラインでは対応できずワイヤー矯正を選ぶことになりやすいです。
6-4.着脱方法
インビザラインはご自身でマウスピースを着脱することが可能です。
自分で着脱が可能な分、装着時間はしっかりと管理する必要があります。
ワイヤー矯正の場合、装置の着脱はすべて歯科医師がおこないます。
そのため、ご自身での取り外しは基本的に不可能です。
ただ、自分で装置の装着時間を管理する必要がありません。
6-5.お手入れのしやすさ
インビザラインは自分で着脱が可能なため、マウスピースのお手入れがしやすいです。
マウスピースと歯の間に食べ物が挟まっても簡単に取り除けます。
一方、ワイヤー矯正の場合は自分で装置を着脱できないため、インビザラインと比べるとお手入れはしにくいです。
装置と歯の間に挟まった食べ物を取り除くのも困難でしょう。
7.まとめ
インビザライン矯正で噛み合わせが悪くなってしまうケースは下記のとおりです。
- 破損・変形したマウスピースをそのまま使っている
- 正しくマウスピースを装着できていない
- マウスピースの装着時間が守れていない
- 強く噛みしめてしまう癖がある
- 歯科医師の知識・技術・実績が浅い
また、矯正中の噛み合わせにおける違和感の主な正体は、マウスピースそのものの厚みや設計上によるものです。
インビザライン矯正で噛み合わせが悪くなるのを予防するためにも、知識・技術・実績が豊富な歯科医師に治療を依頼し、正しい装着方法・時間を厳守することが大切です。
当サイトではインビザライン矯正が受けられるおすすめの歯科医院を紹介しています。
インビザライン矯正を検討しているという方は、ぜひご覧になってみてください。
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