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マウスピース矯正は噛み合わせが悪くなるデメリットがある?

この記事の監修者

髙橋 まどか

赤羽橋歯科・矯正歯科
作成日のアイコン

2022/2/17

最終更新日のアイコン

2024/7/17

#マウスピース矯正

コラムのサムネイル

「マウスピース矯正だと噛み合わせが合わなくなるの?」

「結局、ワイヤー矯正の方が良いの?」

「自分が矯正するなら、結局どの治療方法が良いのかわからない」

今、どんどん需要が高まっているマウスピース矯正。

透明で目立たないし、芸能人やモデルも金属製の装置を気にせず矯正をしている話を聞いて興味はあるものの、上のような悩みがある患者様もいらっしゃるのが事実です。

そこで今回は、マウスピース矯正をすると噛み合わせが悪くなってしまうのか、なってしまうのであれば噛み合わせ悪化の原因はなんなのか、そしてそれに対しての対処法などをご紹介します。

矯正の知識を身につけ、綺麗な歯並びを手に入れて、素敵な人生を送りましょう!

そもそも噛み合わせとは?

噛み合わせとは、文字通り上の歯と下の歯の接触状態を表す言葉です。

ほとんどの人は、何気なくできてしまう噛むという動作、実はすごく繊細な行為で、0.1ミリのずれでも噛み合わせが悪くなることもあると言われています。

また、噛むというのは上下の歯があって初めて成り立つもの。

そのため矯正で上の前歯の歯並びだけ治すなどの治療を行う際にも、下の歯とのバランスを考慮する必要があります。

噛み合わせが悪いとどうなるの?

噛み合わせが悪くなると、体に様々な影響を及ぼす可能性があります。

まず見た目の問題

噛み合わせが悪いことで、顔が歪んでしまう、出っ歯や受け口に見えてしまう可能性があります。

次に健康面への影響です。

噛み合わせが悪いことで、体の一部に余計な負担がかかります。

その結果、顎関節症を引き起こしたり、肩こりや頭痛といった不定愁訴を引き出すことも。

その他には、口呼吸になりやすい、食べ物を噛み砕くいわゆる咀嚼機能が低下するなどもあります。

よって、自身の悪い噛み合わせを改善することで、良い影響があることは理解できたと思います。

また矯正した結果、噛み合わせが悪くなってしまうなんてことは本末転倒です。

良い噛み合わせ

矯正治療が目標とする、良い噛み合わせとは「個性正常咬合(こせいせいじょうこうごう)」と呼ばれるものです。

当然、個人個人で顎の大きさ・歯の大きさや・歯の形・歯の生え方などが異なるため、一概にこれが理想の噛み合わせであるという定義をしても現実的ではありません。

その個人に合わせた理想の噛み合わせの状態を目指し「個性正常咬合」と呼んでいます。

個性正常咬合の条件には「上下の歯の真ん中である正中(せいちゅう)が一致している」「オーバージェットや、オーバーバイトが適切な範囲である」などがあります。

オーバージェットとは、前歯を横から見たときに上の歯がどれだけ、下の歯よりも前にあるのかという指標のことで、オーバーバイトは上の前歯が下の前歯に対してどれだけ覆いかぶさっているかの深さの指標のことです。

悪い噛み合わせ

悪い噛み合わせは、下の歯が上の歯より前に出ていたり、上の歯が出すぎていたり、正常な咬合ではない状態を言います。

どのように噛み合わせが悪いのかによって、以下の6つのタイプに分類されます。

叢生(そうせい)

叢生は、歯がでこぼこに生え揃っている状態を言います。

別名「乱ぐい歯」と言います。

また犬歯が前に出ているいわゆる八重歯(やえば)も叢生の一種です。

八重歯は、日本ではチャームポイントとして捉えられることも多いのですが、欧米では歯列矯正が一般的な背景もあり、治療すべき対象として捉えられることが多いようです。
叢生が及ぼす悪影響については以下が考えられます。

  • 見た目、審美性が低下する
  • 食べ物を正常に噛むことができず消化器官に負担をかける
  • 歯の清掃性が低下し、口腔環境に悪影響が考えられます

空隙歯列(くうげきしれつ)

空隙歯列は歯と歯の間に大きな隙間があることを言います。

別名「すきっ歯」とも言われ、特に前歯に隙間がある状態を「正中離開(せいちゅうりかい)」と呼びます。

空隙歯列が及ぼす悪影響については以下が考えられます。

  • 見た目、審美性が低下する
  • 食べ物が歯間に挟まりやすい
  • 発声がしづらくなる

上顎前突(じょうがくぜんとつ)

上顎前突とは前歯や歯ぐき、または顎全体が前に出すぎている状態を指します。

一般的には「出っ歯」と呼ばれます。

上顎前突が及ぼす悪影響については以下が考えられます。

  • 見た目、審美性が低下する
  • 前歯で食べ物を噛みきれない場合がある
  • 口呼吸になりやすくなる

下顎前突(かがくぜんとつ)

下顎前突とは、噛んだときに下顎の歯が上顎の歯よりも前にある状態を指します。

受け口や、反対咬合とも言われます。

上顎前突が及ぼす悪影響については以下が考えられます。

  • 見た目、審美性が低下する
  • しっかりと噛めない場合がある
  • 特定の歯や歯槽骨(歯を支える骨)に負担がかかりすぎる場合がある
  • 8020運動が最も達成されていないという嚙み合わせ

開咬(かいこう)

開咬とは、口を閉じようとしても、上の歯と下の歯に隙間ができてしまう状態を指します。

別名オープンバイトとも言われており、数ある不正咬合の中でも悪影響が強いと考えられています。

開咬が及ぼす悪影響については以下が考えられます。

  • 口呼吸になることがある
  • 滑舌や発音に影響する可能性がある
  • 特定の歯に負担がかかりすぎ、将来的に歯を失う可能性が高まる

過蓋咬合(かがいこうごう)

噛み合わせが深く、上の前歯で下の前歯が覆い被さってしまい見えづらくなっている状態のことを指します。

  • 顎関節症を引き起こす可能性がある
  • 下の歯が歯肉などを傷つける可能性がある
  • 上顎前突を引き起こす可能性がある

マウスピース矯正で噛み合わせが悪くなることはあるのか

誤解を恐れず言えば、マウスピース矯正で噛み合わせが悪くなることもあります。

ただし、ワイヤー矯正でも同様ですし、「マウスピース矯正だから噛み合わせが悪くなる」ということはありません。

ではワイヤー矯正ではなく、なぜマウスピース矯正だと噛み合わせが悪くなると言う話が出てくるのでしょうか。

それには以下の理由が考えられます。

  • マウスピース矯正自体が新しい技術であるため
  • マウスピース矯正のブランドの乱立
  • 歯科医師や矯正サービスの知識や経験の不足
  • 適応できない症例で、マウスピース矯正を行なってしまったため

マウスピース矯正は、比較的新しい矯正治療技術です。

そのためマウスピース矯正で治療できる症例つまり適応症例は、今現在も増えてきている状態です。

つまり現在では、マウスピース矯正では治療が勧められない症例があることも事実。

適応症例ではないのに、マウスピース矯正で治療を行うことで噛み合わせに悪影響が出てくることもあるでしょう。

また語弊があるかもしれませんが、マウスピース矯正の登場によって矯正を学んでこなかった歯科医師の方でも矯正サービスを提供できるようになりました。

例えば、インビザラインではクリンチェックと呼ばれる治療計画の立案をする工程がありますが、それらを元にマウスピースが製造されます。

クリンチェックとは、患者様の歯型を基にコンピューターで矯正中の歯の動きをシミュレーションするものです。

それらを定期的に患者様に交換してもらい付けてもらうようにすれば、治療の提供自体可能なのです。

しかし本来矯正治療は、矯正を専門に学んだ上で多くの患者の症例を経験してようやく一人前になれる専門性の高い領域です。


またシミュレーションでは、歯根つまり歯の根の状態までは考慮せずにシミュレーションが行われることもあります。

そのため経験が不足している歯科医師の場合、長い矯正治療の途中で計画からずれてしまった場合に、軌道修正できず噛み合わせに悪い影響を与えてしまった事例もあります。


マウスピース矯正そのものではなく、それを扱う歯科医師や矯正サービス自体が原因であることが多いようです。

マウスピース矯正で噛み合わせが悪くなる2パターン

マウスピース矯正で噛み合わせが悪くなるパターンを2つ紹介します。

矯正治療の途中で悪くなるパターン

マウスピース矯正に限らず、矯正治療の最中に噛み合わせが悪くなることがあります。

矯正をしている途中で、噛み合わせに違和感があると不安になりますよね。

原因

歯を動かすことによって、一時的に歯と歯がぶつかってしまうことで噛み合わせに違和感が出るから。

対処法

対処法は、基本的に待つことです。矯正治療が進むにつれて、症状が軽減することが多いです。

矯正途中に違和感が出ることはよくあることなので、不安であれば担当の歯科医師に質問をしてみましょう。

矯正が終わってから奥歯が噛まなくなってしまうパターン

原因

マウスピースの厚みの分、奥歯が噛まない状態が長時間継続されるため。

マウスピースは厚みがあるので、噛み合わせの間にアライナーがどうしても入り込みます。

そのためマウスピースを外すと、マウスピースの厚み分だけ隙間ができることから、奥歯が噛めないという状態になることがあります。マウスピース矯正では、歯並びのシミュレーションはだけでなく、噛み合わせのシミュレーションも行っていますが、実際に人がものを食べるときの顎の動きまでは再現することは難しいとされています。

よって、噛み合わせまで考慮して矯正計画を立てる歯科医師の技量が必要になります。

対処法

こちらは、個々の症例や歯科医師によって対処の方法が異なります。

追加でワイヤーで修正したり、治療計画を修正したり、あえてマウスピースをつける時間を短くして噛み合わせを調整します。

歯科医師に相談をして、納得のいく回答が得られるようにしましょう。

もしマウスピース矯正で噛み合わせが悪くなってしまったと感じたら

必ず矯正をおこなっている歯科医師に相談しましょう。

なぜなら、人の口の中は、1人1人で全く異なり、治療計画も個人に合わせたものであるため、一番あなたの口の中を把握してる歯科医師に相談するべきだからです。

しかしながら、その歯科医師と信頼関係が構築しきれていない場合は、セカンドオピニオンもおすすめします。

その際は、矯正について一定の知識を有している矯正専門の歯科医院などを選ぶと良いでしょう。

まとめ

今回は、マウスピース矯正で噛み合わせが悪くなることはあるのか、という点をまとめさせていただきました。

結論は、マウスピース矯正に限らず矯正中や矯正後に噛み合わせが悪くなることがあります。

しかしながらそれは矯正中の一時的なものであったり、専門的な知識を持つ歯科医師によって解決できるものだったりします。

また矯正中は何か気になることがあれば、すぐに歯科医師に相談したり場合によっては、セカンドオピニオンを利用して、是非とも綺麗な歯並びと理想の噛み合わせを手に入れましょう。

当サイトではマウスピース矯正が受けられるおすすめの医院を紹介していますので、ぜひご覧になってみてください。

この記事の監修者

経歴

2012年 東京歯科大学歯学部卒業 2016年 同大学歯科矯正学講座卒後研修課程修了後、矯正専門歯科クリニック勤務

コメント

赤羽橋歯科・矯正歯科で矯正治療を担当しています髙橋です。歯並びは見た目の問題だけでなく、咬み合わせにも大きく影響を及ぼしますので注意が必要です。精密な診断と患者さまに合った治療計画で、清潔で健康的な口腔内環境とより魅力的な笑顔を手に入れることのできる矯正治療を始めてみませんか?

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